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阪大の大学院に外部から受かった話【学習編】

本ブログは、阪大の大学院に外部から受かった話【学習編】です。 阪大に出願するまでは、阪大の大学院に外部から受かった話【〜出願】を参考にしてください。

本ブログでは、どのように筆記試験の勉強をしていたかをまとめていきます。

はじめに

前のブログでも触れましたが、私は併願校の兼ね合いもあって必要最低限の科目しか勉強していませんでした。 必要最低限の科目しか勉強しないのは、本当に精神衛生上良くないので、受験する科目に加えて1,2科目学習しておいた方がいいです。

今回は、私が学習した基礎科目5科目と専門科目3科目の学習についてまとめていきます。

学習の流れ

学習は、4月から始めました。

4月から7月までは、学部で所属している研究室の基礎ゼミの資料作成をほぼ毎日していたので、平日は毎日9時から研究室に行き、17時くらいまでシミュレーションやら資料作成をしたのちに、図書館に行って21時くらいまで勉強していました。 と言っても、6月くらいまでバイトと長期インターンも行っていたので、毎日4時間がっつり勉強していたわけでなく、平均して3時間くらい勉強していました。

そして、6月中旬くらいからバイトも落ち着いて当時記録していたstudyplusによると、6月は約50時間、7月は約115時間、8月は約111時間学習していたらしいです。トータル276時間くらいですね。

外部の院試を受ける上でまじでこれはよかった3選を挙げるのであれば、

  • 志望の研究室の研究室見学に行き、過去問の解答をもらう
  • 志望の研究室の先輩と連絡先を交換する
  • 過去問でわからないことがあれば誰かに聞く

ですね。

基礎科目の問題はネットで調べればなんとかなることがありますが、専門は割と困ります。 そのため、過去問の解答を先輩からもらっておくのが良いと思います。

そしてもう一つはわからないことがあれば周りの人にすぐ聞くことです。 幸い、私の友人は優秀な人が多かったので、基礎科目でわからないことがあったらすぐ教えてもらっていました。 基礎科目が点が取れたのは友人のおかげと言っても過言ではありません。

上で過去問の解答を先輩にもらうべしと書きましたが、基礎科目は同じ研究室でも人によって選ぶ科目がバラバラで解答を作成していない場合が多々あるので、基礎科目に関しては周りを頼りましょう。

基礎科目

私は基礎科目は、線形代数フーリエ解析複素関数電磁気学、電気電子回路を学習し、受験しました。(一応、微分方程式も少しは勉強しましたが、過去問を一度もやっていないのでほぼやっていないのと同義) 科目別に学習した内容をまとめていきます。

線形代数

大学の講義でやったことを思い出すためにまずは、ヨビノリの動画を見ました。

youtube.com

ヨビノリの動画は対角化までがわかりやすくまとめられていますが、ジョルダン標準形やユニタリ行列による対角化などはまとめられていないので、図書館でマセマなどの本を読み漁りました。 過去問をやるとわかりますが、本当にほとんど対角化の内容になっているので、対角化さえわかれば問題は解けると思います。

マセマ以外には、ヨビノリのブックレビューで勧められていた本をやりましたが(学部1年時に買ってた)阪大院試のためだけならばやりすぎ感があるのと、一部誤植が気になったので、最終的には辞書的な感じで演習を繰り返してわからないポイントが出てきたらこの本に立ち返って勉強していました。

フーリエ解析

フーリエ解析に関してもまずはヨビノリの動画をみました(ヨビノリ神。ありがとうございます)

そして、ヨビノリを見た後マセマをはじめとしたいろんな本を図書館で読み漁り演習をしました。 と言っても身になってると感じるのは、マセマと大学生のフーリエ解析という本です。 大学生のフーリエ解析は正直最後まで演習はしていませんが、よかったと感じています。

阪大のフーリエ解析の問題は、微分方程式か偶奇関数の性質を利用して、ディリクレ積分的なやつの値を求めるかなので、フーリエの基本的な性質などを押さえて過去問演習をすればいいと思います。

複素関数

複素関数論は、2022年度入試から傾向が変わりそれまで留数定理ができればよかったのが、証明などが中心になりました。 そのため、あまり私の学習方法は参考にならないかもしれませんが、一応。。。(私は本番複素関数論できませんでした)

書籍としては、こちらもヨビノリのブックレビューにあった複素関数論という本を中心に学習しました。 学部時代は複素関数論の授業を履修していなかったため、1からでしたがこの本とマセマのおかげで理解できました。

電磁気学

電磁気学は学部である程度やっていましたが、信じられないほど忘れていたのでかなり焦りました。

そのため、まずは、大学生の電磁気学という本をやりました。この本で大体の問題の解法を掴むことができました。

阪大の電磁気は、マクスウェル方程式ゴリゴリ、または球外殻導体の簡単な問題が出ますが、後者であればこの一冊で解けるようになると思います。

と言っても、球外殻導体の簡単問題が出るとは限らないので、上記の本に加えてこの本をやりました。

これは、阪大のシラバスで電磁気演習の参考書として書かれていましたが、マジの良書でした(良書というよりまんま出ると言った方が適切なのかもしれません)

阪大の過去問のマクスウェル方程式を使った問題は全てこの参考書に載っています(ガチ) 個人的にこの本を発見するのが遅くやり込めなかったので、電磁気が少し不安要素ではありましたが、この本を極めれば本当に電磁気は怖いものなしなんじゃないかと思いました。

他には、一部の過去問で京大の電磁気の講義資料の問題に酷似しているのも見受けられたので、時間が有り余る方は京大の電磁気の講義資料を読み漁ってもいいかもしれません。調べれば出てくると思います。

電気回路

電気回路は割と講義の内容を覚えていたので、過去問をずっと解いていました。 わからないところがあれば阪大の教科書などを使って勉強していました。

電子回路は全く勉強していません。

専門科目

専門科目は、データ構造とアルゴリズム情報理論、情報セキュリティを選択しました。

前のブログでも述べましたが、専門科目は割と講義の内容を覚えていたので、基礎科目と比べるとほとんど勉強していませんでした。

データ構造とアルゴリズム

データ構造とアルゴリズムは、自大学の講義資料を中心に勉強しました。一部、わからないところは、YouTube早稲田大学の早水桃子先生が離散数学として講義動画を上げているのでそちらで学習しました。実際、それで過去問はほぼ解けました。

youtube.com

が、2022年度入試から少し傾向が変わって基本的なデータ構造やアルゴリズムを解答するだけでなく、ある課題に対してどのデータ構造やアルゴリズムを適用するか的なのが問われる問題になった気がします。(2022の行列計算と動的計画法みたいな)

だから、もっとどう使うかみたいなとこを考えて勉強するといいと思います。(知らんけど)

情報セキュリティ

情報セキュリティは、まず最初に過去問を解いていけるなと感じたのであまり学習しませんでした。

情報セキュリティの院試科目としての歴史は短く、5年分くらいしかありませんし、最初の3年くらいは正直何言っているかわかりませんでした。

が、最初の3年くらいは難易度調整のために難しかったのだろう、割り切って直近2年分くらいをやりました。

加えて、研究室の先輩にRSAやDSA、Elgamalの弱点の数学的証明とかはやっておいた方がいいよとアドバイスをいただいたので、8月に入りその辺を軽く復習しました(そしたら出た、本当にありがとうございます)

その際は、こちらの暗号技術の全てという本を利用しました。

もともと暗号技術を勉強したいと思って昔買っていた本なので、院試だけにしか知識を利用しない場合は、図書館で借りるだけでいいと思います。

この本は本当に暗号技術が全て載っていてびっくりしました。良書です。

情報理論

情報理論は、基本的なことは自大学で使用していたオーム社のこちらの本を使いました。 基本的なことが分かりやすくまとめられていてよかったです。

しかし、定常確率など一部載っていない内容があり、その部分は今井本と巷で有名な参考書を使いました。

正直、リードソロモン符号に関しては阪大の友人に講義資料を送ってもらうなどしましたが、最後まで理解し切ることができませんでしたが、なんとか耐えました()

最後に

冒頭にも書きましたが、外部受験するに当たって、研究室の先輩を連絡先を交換する、内部の友人と連絡を取ることは重要だと思います。

よく外部からは、内部に比べて情報量が少なく効率的に勉強ができないため不利だと言われますが、本当にその通りだと思います。

しかし、裏を返せば情報量さえ確保できれば、内部と対等に戦うことができます。

内部で同学年の友人だと、本人も院試があって(ましてやライバル)、割と教える余裕ないと思うので、研究室の先輩と知り合いましょう。(私は、研究室の先輩と浪人して阪大に入学した高校生の時の友人と連絡を取り合っていました)

加えて受験大学の過去問分析などをしっかりしましょう。

私は、画像のようにGoogleスプレッドシートにまとめて演習を繰り返していました。

進捗まとめ

大学受験時は、予備校などが志望校の過去問分析などをしてくれていたと思いますが、大学院にそんなもんは存在しません(内部はあるかもしれませんが)

自分で過去問の演習を繰り返して効率よく学習していくのがいいと思います。

これで学習編は終わりです。 次回は、阪大の大学院に外部から受かった話【受験~合格】です。